オフショア信託でいいんじゃないですかの続き

 

 

 

 

オフショア信託でいいんじゃないですか」の記事で、オフショアカンパニーはオフショアの法律でしっかり守られている。仮に訴えようとしてもそもそも訴えるのも簡単ではない。そんなお話を書きました。

 

すると、国際税務オタクというか本業さんの、もと国税調査官の方から実務的なコメントをいただきました。

 

    IBCなんて、そもそも税務調査ができないよ

 

IBCを訴える以前の問題として、訴える元となる根拠を把握するための税務調査が、そもそもできないということです。

 

IBCが日本の法人・個人の子会社であったり、親会社であったり、または日本に支店を構えてたりして、間接的にでも日本の税務当局とかかわりがあるのであれば、できなくはないけれども、まー、できるとしても日本の納税者の反面調査であり、それでも相手国の了承が必要だろう。反面調査ではなく、IBC自体を直接調査することなんて、できないと考えたほうがよいよ。

 

なぜなら、IBCは外国法人なのだから日本の税法は及ばない。管轄外、調査権限が及ばない。税法はそれぞれの国でそれぞれ定めているのだから、外国法人を日本の税法にもとづいて税務調査なんていきなりしたら、それは主権の侵害となりえる。まぁ、こんな感じのお話でした。

 

オフショア信託が所有するIBCであれば、日本の税務調当局とは間接的にも関りがないですね。ただ、1点、別の視点でアドバイスを頂戴しました。

 

信託を設定するとき、委託者から受託者に資産を送りますけれども、今回の設定では、IBCの株式ですね、税法では、この移動は、贈与とみなされる可能性があるとのことでした。信託契約の内容によって納税義務は受益者か受託者のどちらかだそうです。受益者が日本在住のかわいい孫ですと、一発で指摘されそうですね。目的信託とかで日本の税制上、受託者課税に該当し、その受託者が現地の信託会社であったりすると、現地信託会社に日本の贈与税の納税義務が発生するということになりますでしょうか。

 

では、どーやって徴収するか。現地の信託会社が外国法人だからと言って、その支払いを源泉徴収するわけにもいきません。信託財産の移転は現地の信託会社の所得ではありませんので、源泉徴収する類のものではありませんね。ま、そもそも贈与税は、受け取った側が支払うべき税金ですから、日本の税制の場合。となりますと、つまりこれは、オフショア信託会社の税務リスクですね。このリスクの処置については、「オフショア信託でいいんじゃないですか」で登場したアメリカの国際税務オタクさんの指摘の通りですので、オフショア信託会社がどのように対処するかはその会社次第ですね。

 

ということで、IBCを訴えるよりも前に、そもそも税務調査するのは、実務的には、まー、できないというのが、今回の話です。

 

ついでに言いますと、株式の移転の際に、その株式の価値が100万円を下回っていれば、贈与税の対象にはならず、オフショア信託会社さんに余計な面倒はかけなくて済むかしれません。株式移転の後に、それなりの金額を移転しても、それがDONATIONであれば、税務リスクは発生しないでしょうから。ただ、オフショア信託会社さんが、外国の税務当局から何かを言われて、それを余計な面倒ととらえるか、単に無視するか、勲章だと考えやる気満々で待ち構えるか、さてさて、どーなのでしょうかね。

 

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