オフショア信託でいいんじゃないですか

 

 

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税金のかからないFX運用会社スキームは?」で長々と研究した結論が、プライベート・トラスト・カンパニーでした。ところが、国際税務オタク仲間のアメリカ人から、こう言われました。

 

     It’s probably overkilling.

 

やりすぎじゃん。

ほとんどの人は、そこまでやる必要はないよということです。彼の主張はこうです。

 

オフショアIBCを設立する。オフショア信託会社が設定した信託配下にIBCを組み込む。それで十分。オフショア信託がIBCの所有者なので、タックヘイブン対策税制の適用は受けようがない。リスクがあるとしたらPE認定されちゃうこと。だけど、そこからは、オフショアの法律が味方してくれるよとの言い分です。

 

PEはないと思っていたけれども、税務当局との見解の相違により、万が一、PE認定された場合、納税義務を負うのはIBCです。トレーダー個人ではありません。税務当局が、申告漏れを指摘する相手はオフショアにあるIBCです。指摘されたけど納得せず、IBCが支払わず、結果、裁判となったら、この裁判で勝利をつかむのは、けっこう大変だそうです。

 

オフショアには、とーぜんのことながらトレーダーが住んでいる国の法律は及びません。となると、IBCを訴えるには、その国で裁判をするしかありません。で、オフショアで裁判をするためには、供託金が必要。例えば、ネイビスだと10万ドル。ベリーズだと、規定の額か、訴える額のどちらか大きいほう。例えば、1億円の申告漏れで訴えるとしたら、1億円を供託しなければなりません。

 

さらには、裁判のために現地の弁護士を雇わなければなりません。それが提訴の条件だったりします。だけど、まー、その仕事を引き受けるオフショア弁護士はふつーいない。そんな仕事を受けてしまったら、他のオフショア業務に支障がでるのは間違いないから。となると、裁判自体が起こせない可能性がとてつもなく大きいですね。

 

オフショアによってはほかにもいろいろあります。

裁判を起こす前には、それなりの合理的な理由がなければならないと定めていたりします。合理的な理由とは、たいていは、IBCがマネロンしているとか麻薬密売をしているとかの犯罪の証拠があるとかの想定です。訴えられたらその時点で即、取締役が現地の法律事務所にスイッチすることもあります。それまでの間は、トレーダーが取締役です。裁判が終わったら、また自動的に本人が取締役になります。トレーダー本人からお金を支払うよう指示がきても訴訟に起因した指示の場合は拒否しなければならないと定めている法律もあったりします。

 

で、なんだかんだやっているうちに、お金はオンラインバンキングで一瞬のうちに移動してしまう。仮に勝訴しても、そこには何もない。ま、だいたい、そんな話でした。

 

IBCは信託財産であり、もはやトレーダーのものではない。ここが最重要ポイントだとも主張してました。持っていないものは奪えないということですね。

 

アメリカの超金持ち、John D. Rockefellerさんはかつてこう言ったそうです。

 

     Own nothing, but control everything.

 

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