税金のかからないFX運用会社スキームは? その12

オフショア信託配下にオフショアIBCを組み込み、それでもPE認定リスクが完全にはぬぐえないので、最終手段として、プライベート・トラスト・カンパニーのスキームを研究をしてみます。なお、プライベート・トラスト・カンパニーでは長いので、以下ではPTCと省略します。

 

まずは、PTCとはなにかです。

 

日本にも、〇〇信託銀行とか、〇〇信託会社とかがありますけど、それらと同じ機能を持った会社です。つまり、オフショアの信託法に基づき、信託の受託者として業務を行うことが認められている会社です。

 

だいたいのオフショアでは、信託会社は2種類あります。ライセンスを持った信託会社と、ライセンスはなくてもよい信託会社です。ライセンスド信託会社は、だれにでも受託者サービスを提供できます。公衆性があるということですね。そうじゃない信託会社は、誰にでもではなく限定した相手、例えば、特定の家族にだけサービスを提供することが許されています。PTCはこの後者の、特定の人だけに受託者業務を提供する会社のことです。ま、ひらたく言うと、自分の家族専用の信託会社を設立するということですね。

 

日本で、受託者サービスを提供できる信託会社を設立するのは大変ですけど、オフショアでは、一般的です。世界の金持ちを相手に作ったスキームです。以前では、資産1億ドル以上の超富裕層向けストラクチャーとか言われていましたけど、いまではそんなことはないと思います。

 

このPTCを活用したスキームはどんな感じでしょうか。

 

  • オフショアにIBCを設立する。
  • そのオフショアで定められているPTC要件を満たす。

 

以上です。ま、オフショアIBCをふつーにセットアップするのとそれほど変わりはありません。もちろん、CFCルール向けに、信託配下にこのIBCを組み込むことは、言うまでもありません。

 

ではなぜ、このPTCだとPE認定リスクを回避できるのでしょうか。

 

このスキームは、いわば逆バリです。PEを認定されるリスクを完全に払拭するのではなく、仮に認定されちゃったとしても大丈夫ですよという主旨です。なぜ大丈夫なのか。なぜならこのPTCには所得がないからです。つまり、仮に認定されても、PEなければ課税なしという国際税務業界の合言葉と同様に、所得がなければ課税なしということです。

 

所得がないとはどういうことでしょうか。

 

PTCは信託会社ですので、受託者サービスを提供するにあたって、その対価として信託報酬を受け取ります。いわゆる売上ですね。しかしながら、信託報酬をもらっても、PTCという会社を維持するのに、オフショアでの会社年次登録料とかマネジメント会社への経営管理料とか、いわゆる会社の経費を払ったらほとんど手残りがない、または赤字ということであれば、申告するような所得はないということとなります。オフショアによっては、PTCはそもそも信託報酬を受け取ってはいけないとか利益を出してはいけないとか定めている国もあります。この場合、PTCの要件として定められているので、PTCである以上、所得=利益の作りようがないですね。

 

PTCにある信託財産は、信託勘定として別のものです。この信託勘定でどんだけ利益が出ても、それはPTCのものではありません。日本のFX会社が、当社は信託保全なので、お客様からお預かりした証拠金は、安全ですとか言っているのと同じで、信託財産は分別管理されますので、PTCの利益ではありません。億トレーダーの利益が、そのFX口座を開いているFX会社の利益ではない、のと同じことですね。

 

ついでながら言いますと、この信託財産は、いうまでもなく、PTCの従業員として、FXトレーダーが運用します。

 

さて、今までの研究を整理しますと以下の通りです。

 

  • オフショアにPTCとしてIBCを設立する。
  • このIBCをオフショア信託配下に組み込む。目的信託が一般的です。
  • FXトレーダーは、このPTCに財産を移転します。
  • PTCの信託は慈善信託、つまり受益者は慈善団体とします。
  • 信託財産として運用を行う。
  • ガンガン稼ぐ♪

 

以上、「税金のかからないFX運用会社スキームは?」の研究の最終解は、PTCスキームという結論にしたいと思います。この結論が正解なのかどうか、まだまだ未熟者の国際税務オタクですので、間違いもあろうかと存じます。その節はどうぞお許しください。なお、おまけとして、実際にPTCを設立するとしたら、いくらぐらいかかるのかとか、ちょっとした注意点とか、よもや話を次回以降で書きたいと思います。

 

さて、「税金のかからないFX運用会社」の研究をしてみました。結果としてわかったことは、自分のお金を増やすのであればどーしても自分に税金がかかる。そうではなく、他の誰かのためにお金を稼ぐのであれば、税金はかからないということです。PTCの信託財産はFXトレーダーのものではありません。受益者である慈善団体のものです。受託者の裁量の元、毎期、信託財産の利益を慈善団体にディストリビューションします。FXトレーダーは必要経費をPTC経由信託財産からいただくに過ぎません。

 

このシリーズの「その5」でも軽く触れましたけれども、お金持ちは自分で所有しているものが驚くほど少ないです。お金は所有するものではなく、使えればよいのです。お金を自分が所有するという概念を取り払えるとき、お金持ちになれます。

 

他の人のためにする。このあたりについては、「心。(稲盛和夫著)」をお読みいただければと存じます。

 

 

 

 

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