税金のかからないFX運用会社スキームは? その11

オフショア信託の配下にオフショアIBCを設置するスキームの話です。
ちなみに、このシリーズは、「税金のかからないFX運用会社スキームは?」から始まっています。

 

日本の信託税制は、原則受益者課税、たまーに受託者課税です。FXトレーダーは委託者でしかありませんので、その点では課税される恐れはありません。だけれども、念のため、他にも税務リスクを解消する保険がないものかと研究してみましたら、通則法というものがありました。通則法とは、日本の法律を適用するかしないかなどを定めたものです。税法よりも、上位の概念の法律と言えますでしょうか。

 

つまり、オフショア信託が、そもそも日本の信託税制の適用を受けるのかどうかを、通則法が定めていると言えます。

 

通則法の第7条にこう書いております。

 『法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による。』
 

オフショア信託は、委託者であるFXトレーダーと、受託者であるオフショア信託会社との契約、つまりは法律行為です。この法律行為の契約書には、この契約はオフショア(例えばセーシェル)の法律に従うと書いてあります。ですので、一般人がこの通則法の条文をフツーに読めば、オフショア信託は日本の法律ではなくてオフショアの法律の適用を受けるのだなぁと理解します。これが一般的な理解ですね。学術的にはいろいろ議論があるようですけれども、僕ら一般人は一般的な理解でよろしいかと。


つまりは、オフショア信託はそもそも日本の信託税制の対象とならないということです。オフショアの法律では、信託は非課税と定めていますので、その法律に従うということです。日本の判例でも、韓国の著作権を扱った裁判で、さらりと、信託は、当事者が選んだ地の法律に従う旨が示されています。また、ハーグ信託条約でも、同様のことが書かれています。日本はこの条約には参加していませんけど。ま、債権行為だけが対象で、税法がそーなのかはチャレンジングなところはありますが、保険としては十分ですね。
 

以上をまとめますと、こんな感じです。

 

信託スキームでは:

 

  • IBCは信託のもちものなので、CFC税制の対象とならず、非課税。
  • IBCのPEは、事業管理・遂行の点で日本には所在なしと思われるので、非課税。
  • よって、税務リスクはなしと判断できる。

 

税金のかからないFX運用会社スキームは? その4」で設定した二つの税務リスクをどうにかクリアできました。はぁ、長かったなぁと。

 

ところが国際税務オタクはまだ安心できません。なぜならビビリ君だからです。

いままでの研究の中で、少々気になる点も実はあるのです。それは、PE認定です。IBCの事業の管理・遂行の面を、現地の取締役にお願いしているところです。ちなみに、この取締役さんは、いわゆる名義貸しのノミニー取締役ではなく、ちゃんとした法律事務所に派遣してもらっていますので、それなりに経営管理はしてくれます。ただ、実務的な業務であるトレードの売買の承認までやってくれているとは、正直者の国際税務オタクは言い張れません。ま、とは言っても、日本にもハンコを押すだけの管理職の方もいますでしょうから、あながち否定はできませんけど。ただ、国際税務オタク的には、念には念を押すタックスプラニングをしてみたいところです。

 

この信託スキームの弱点は、IBCに所得があるということです。IBC自体は現地の信託会社のもちものなのでCFCルールが適用されないことは明らかですけど、もし、PEありと認定された場合、所得がある以上課税は免れません。となりますと、リーサルウェポンを出す必要があります。IBCの所得をゼロにするという方法です。専門的な言いぶりですと、課税根拠をなくすということです。「法人税をゼロにする方法は?」で触れた考え方です。元から断つということですね。

 

では、リーサルウェポンはなんでしょうか?

 

 

Photo by Alex Iby on Unsplash

 

世界中の頭のいい人たちが考えてくれたスキームがあります。そのお力をお借りしましょう。それは、プライベート・トラスト・カンパニーです。

余談ながら、タックスヘイブンの法律のほとんどは、欧米のエリートたちが作成したものです。

 

はい、次回に続きます。

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